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2006/05/01

よいどRADIO第一回UP!

皆様、こちらでは始めまして!鼻クローンといいます。このブログでは、よいどRADIOの編集担当としての活動記録と、よいどRADIO本編と連動して編集テクニックなどを掲載して行こうと思います。

今回は初回ということで、よいどRADIOというオーディオ作品が、どのような作成手順を経て皆様のもとへ届けられているのかどうかというところに焦点を当てて解説いたしたく思いまんもす。 2回目以降はそのときどきのエピソード的なものが書ければいいかなぁと思っています。

手順1 ドラマの収録

東京都北区の某スタジオを借りて、声優陣の皆様、ディレクター(甲斐ひろかず氏)、録音担当(私鼻クローンとK氏)、さらに様々なスタッフの方々が集まり、ドラマの録音は行われます。 企画屋パッションベジタブルでの録音は、ブースにマイクを三本立て、これらの音をパソコンへと送り、マイク毎に別々のオーディオファイルに同時録音するという比較的豪華な録り方をしています。

マイクはRODE NT-1というコンデンサ型マイクを使用しています。このマイクは低価格でも大口径なコンデンサマイクの草分けとなったマイクで、音の特徴としてはプレゼンス成分(高音域の耳に付くギラギラとしたところ(サシスセソの周波数帯域と申しましょうか。。))が少し強調された、とてもクリアーな音質となっております。ですので、編集時には「サシスセソ」があまりに耳に付きすぎないように、ディエッサーというエフェクトをかけることが多いです。

また、この手のマイクとしては集音範囲は若干狭めで、ONボジションと、OFFボジションの違いが割りと強く出る傾向となっております。ですので、ボイスドラマなどを収録するときは、声優の動きにマイクの音質が敏感に反応しすぎてしまうことがありますので、録音時にそのあたりを注意して聴いておく必要があるかと思います。というか最近思うようになりました。
特に注意する必要があるのは、遠近感を表現するために、マイクに離れたり近づいたりなどするときです。この場合ブースの部屋の響きがそのまま録られた音に反映されてしまいます。例えば作中のシーンが野外で遠くで叫ぶ、などで実際にマイクから離れれしまうと、野外のはずが思いっきり部屋の中の響きといった違和感を生む原因となります。
この場合はONで録っておき、編集によって音量差を設けたり、左右に振るなどして、距離感を演出するのがベターです。

その他に注意していることは、録音中に大きな声を出したときに共鳴してしまうようなものは、ブースの外に運び出すことです。
譜面台なんかもそうだし、実はピアノもそう、そもそも楽器はよく響くように作られているので、音楽室は罠だらけだったりします。。

手順2 ラジオトークの収録

ラジオについては、僕の自宅に喋るメンツをお招きして録音します。
テーブルの真ん中辺りに全指向型マイクを1本だけ設置して、そのテーブルを取り囲むように、人が座って録るという感じです。
この録り方だと当然ながらノイズもよく拾うし、全般的にOFF気味な音質となります。しかし、ノイズも雰囲気を演出する要素というのか、これはこういうものだとして録ってしまえばそれもありかなぁ~、というノリでやってます。


手順3 ドラマの編集

最初のステップは、ノイズ除去を行います。ブース録音なので、声以外の音はほとんど入らず、たまにペーパーノイズが入ったりする程度なのですが、リップノイズはちょくちょく入ってくるので、録音された音声を聴きながらこれを丹念に消して行きます。
リップノイズが音声波形のどの位置に存在するのかは、波形編集ソフトのスペクトラム表示機能を使って調べます。
リップノイズは縦線のような短時間で広帯域な成分として混入しているので、この範囲を選択して、音量を0にするなり、台詞と重なっている場合は、リップノイズ除去用のエフェクト(波形編集ソフトによって呼び名は異なりますが、僕の使っているAdobe Auditionでは、”Click/Pop Eliminator”という名前となっています。)
Lip

あとは他のマイクに向かって喋っている人の声が混入してくるので、これも丹念に取り除きます。そうしないと残響を含んだ音質となってしまって、後処理でのコントロールが難しくなります。(出来るだけ残響の少ない音で録っておいて、後処理でそれぞれのシチュエーションに適した残響音を付加するというスタンスですので。)
もっとも二人の声がかぶっている場合は、あきらめざるを得ません。それでもかぶっていないところだけ丁寧に取り除けば、よほど注意して聞かなければ、分からない程度に分離することはできます。

次のステップは、1話分のまとまりとなるように複数のオーディオファイルを一列に並べる作業です。
大抵の波形編集ソフトでは、複数のファイルを並べて編集するマルチトラック編集機能が付いています。さらに、このマルチトラック編集機能は、オーディオファイル自体を加工することなく、時間の挿入や削除、音量の調整、エフェクトの付加といった処理ができる非破壊編集機能とセットになっています。
僕の場合は、リバーブやコンプレッサー、ディエッサー、イコライザーといった、音量や質感を整えるエフェクトは、マルチトラック編集時にかけるようにしています。中でもAdobe Auditionの場合は、バス機能といって、複数のトラックに同一のエフェクトをかける機能がついているので、複数のマイクで録っている音声ファイルは1つのバスに送り、コンプレッサー、ディエッサー、イコライザーは同一のものを使うことで、人間の声としてトータルな加工を行っています。
なお、イコライザーは主にポップノイズ(マイクに息を吹きかけたときのボコボコした音)を取り除くために使用しています。このため、80Hz以下をカットして後はフラットな特性としています。

人の声のファイルを並べ終わったら、次は効果音やBGMを加えて行きます。
効果音については、録れるものはその都度録音したり、既存のライブラリーなどを使用します。あるいは編集を重ねて、新たに効果音を作ることもあります。

次のステップは監修作業です。つまり当サークルのプロデューサーであられます甲斐ひろかず氏の立会いのもと、編集したドラマに対して、時間間隔の調整を行ったり、新たな効果音やBGMを加えたり、あるいは音声を加工したりします。(まあ、最近は未完のまま監修に入って、その場で作ることも多いのですが、、、わはは)

そして最後にミックスダウンします。波形編集ソフトのメニューから選ぶだけで自動的にミックスダウンされたオーディオファイルが作成されます。
あとは最終的な音量の調整のためリミッターをかけます。

手順4 ラジオトークの編集

ラジオのトークは1本のマイクで録り、またノイズ除去などはあえて行いません。
あとはドラマの編集と同じように、加工を行い、BGMを加えて、ミックスダウンするわけすが、OFF気味で録音しているため、少し曇っているというのか、プレゼンス成分が弱い音質となっているので、EQで8KHz以上のプレゼンス成分を強調します。またディエッサーは加えずに、コンプレッサーのみで処理します。

手順5 MP3変換&ブログUP

今回はブログを使ってWebラジオとしてUPするのですが、ここで一つハプニングがありました。。。。
今回のラジオは何と大型1時間7分となっていますので、128Kbpsのmp3ファイルですと60Mバイトものビックなファイルとなってしまい、当初のUP先として予定していましたラジログの転送規制(1ファイルあたり10Mバイト未満)に引っかかってしまったのです。。。。
ブログ全体としての容量制限が2Gバイトですので、余裕をかましていたのですが、、ちょっとびっくりどっきりな感じでした。
そこで、急遽UP先をココログに切り替えることにしましたが、ココログでも1ファイルあたり40Mバイト未満という転送規制が設けられていました。
ラジログよりはマシなのですが、しかしオーディオファイルは60Mバイトですので、このままですと、どのみちUPすることはできませんでした。
そこで最初はファイルを2つに分けてUPすることを考えたのですが、しかし2つに分けてしまうとpodcastingは最初の1ファイルのみにしか対応できないので、podcastingを使ってipodで聴いている人は前半しか聴くことができないという問題が発生します。
そこで、最終的にはMP3の圧縮率を上げてなんとか40Mバイトに押さえることで、1ファイルでUPすることにしました。
次回は40分以内に収めるようにして、128Kbpsでも40Mバイトに押さえることが出来るようにしないと。。。

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