2006/06/26

よいどRADIO第三回UPっP!.

さあ!よいどRADIO第三回目がUPされたがな~~もし~!!
巻いていきましょう~という前回、前々回の反省がついに活かされ、今回はなんと45分を切りました!!これによりMP3の圧縮率を下げることができ、音質UPでお送りしております!!

このブログは、よいどRADIOの更新に(ゆるーく)連動する形で編集作業に関わるノウハウをお伝えしております。
オーディオ編集に関わる「分からないこと知りたいこと」、などございましたらどしどしこのブログのコメントなどに書いてやって下さい。コメントへの返信、あるいは次回の更新時に私の知りえる範囲でお答え致しますです~!
なお、本文中の”(22:22)”という表記は今回のよいどRADIO内での再生箇所を表します。この場合は説明している音が、よいどRADIOの再生開始から22分22秒後に聴くことが出来るという意味となります。

今回のドラマ『みかえるそうる』のヒロインは封月七海(ほうずきななみ)さん演じる「真水」です。封月七海さんは企画屋パッションベジタブルとは結構長い仲というか、彼女の一番最初の収録参加が企画屋パッションベジタブル製作のボイスドラマだったという経歴の持ち主なのです。

さて、今回は「足音」の処理を紹介したいと思います。
世の中は広いもので(?)、足音を専門に集めた効果音ライブラリCDなんてものが存在していたりします。60分まるまる足音ばっかりというものです。
「これだけ豪勢に足音の音ばかり集まっていれば、ほとんどのシチュエーションでどれかの音が使えるはず!」とお思いになるかも知れません。しかし、実際にボイスドラマで足音を入れてみようと思いますと、系統的にはあっているのだけれど、ちょっとニュアンスが違うんだよね~、という音ばかりで、以外とそのままでは使えなかったりします。
何気に足音も作品の世界を表現する重要なツールといいますか、足音は口ほどに語るものなのです。マジマジよ~
ライブラリをそのまま使うだけでは中々表現できない部分を編集によって表現してしまう方法をお教えいたしましょう!

距離感をコントロール
「割と遠くの方から足音が近づいてきて目の前で足を止めるシチュエーション」(27:58)を、もっとも簡単に表現する方法は、靴音をフェードイン(小さい音量から大きい音量に連続的に変化させる。)させることです。単純に遠くの音は小さく、近くの音は大きく聞こえるという経験則に基づいて、音量操作によってのみ、遠近感を表現するというわけです。
これだけでもある程度デフォルメされた感覚として「近づく=音量が小から大に変化」「遠ざかる=音量が大から小に変化」というように距離の変化を感じさせることができます。
もう1つよくやる方法は、靴音が始まるときは右か左に振っておいて、人が近づいてくるほど徐々に靴音を真ん中に近づけてゆくというものです。これも巷のCDドラマとか、あるいはアニメ映画なんかではしばしば用いられるテクニックといえます。

しかし、もっと積極的な加工として、「音の質感」をコントロールすれば、より的確にシチュエーションを表現することができます。
例えば、遠くの音ほど「曇って聞こえる」という現象があり、これを表現できればよりリアリティが増します。また特に建物の中や、建物に囲まれたシチュエーションでは、遠くの音は近い音に比べて「反響して聞こえる」という性質を持ちます。
これらの性質を音質変化として靴音に盛り込むには、音量変化以上に積極的なエフェクトを活用する必要があります。
では、その具体的方法の説明に移りたいと思います。
「曇って聞こえる→くっきり聞こえる」の変化を表現するために、例えば僕の使っている波形編集ソフトAdobe Audition1.5では、フィルタのモーフィング機能を使うことができます。
最初に1KHz以上の帯域を-10dB/Oct(1オクターブ辺り10dB)程度のカーブで減衰させるようなフィルタ特性にしておいて、近づくにつれてフィルタがかからないように(つまりはフラットなカーブ、というより直線に)すれば自然な遠近感が表現できると思います。ま、最初に何Hzから何dB減衰させておくかは表現したいシチュエーション次第でしょう。「壁の向こう側」など特別なシチュエーションでは、1KHzといわず200Hzくらいからカットしてしまっても良いと思います。基本は「シチュエーションに合っているかどうか」を踏まえつつ、微調整を繰り替えす感じです。
フィルタのモーフィング機能に該当する機能を持たない波形編集ソフトを使っている場合は、同じ靴音の波形を2セット用意しておいて、まず片方だけにローパスフィルタ(低域通過フィルタ)を掛け、このローパスフィルタを掛けた音から、掛けていない音へとクロスフェード(片方をフェードアウト、もう片方をフェードインするようにして2つの波形をミックスする方法)すれば曇った音からはっきりした音へと音質を変化させることができます。

そして、「響いて聞こえる→響かない」のコントロールは、残響成分を作り出す専用のエフェクト「リバーブ」を使うことで表現できます。最初に2セット同じ靴音の波形を用意しておいて、片方にリバーブを深めに掛けて、またもやクロスフェードによって、徐々にリバーブを浅くしてやればよいです。あるいは、最近の波形編集ソフトでは、非破壊編集機能といって、リバーブなどといったエフェクトの掛かり具合だけをオーディオファイルとは独立して変更する機能が付いていますので、これでコントロールすれば簡単です。

このサンプル(MP3)を聴いて違いを確かめて見て下さい。単純に音量を変えただけのもの、次に「音量の変化+フィルタのモーフィング」、最後は「音量の変化+フィルタのモーフィング+リバーブの掛かり具合の変化」という順に音声が並べてあります。
単純な音量変化に比べて距離感や、臨場感みたいなものが分かりやすくなっていますよね?よねよね?

歩行スピードをコントロール
ぶっちゃけ、巷のライブラリで、表現したいシチュエーションに対し、靴音の種類と歩行速度の両方を満たすものを探すのは、意外と至難の業だったりします。
こんなときは、編集作業によって、歩行スピードをコントロールしてしまいましょう。
歩行速度だけでも色々なことを表現できます。急いでいるのか、落ち込んでとぼとぼあるいているのか、などなど。たかが歩行速度、されどこの歩行速度に情景を落とし込むことができます。
編集の仕方は簡単です。足音と足音の間には無音時間が必ずありますので、ここに更に無音時間を挿入するか、余分な無音時間を切り取ってしまえばよいわけです。無音のようで多少音が出ているので、これを切り取ったり、無理やり純粋な無音を入れるのに抵抗がある、という人は、波形編集ソフトにはストレッチ機能(音程を変えずに音を伸ばしたり、縮めたりする機能)がついているものがありますので、これを利用すればよいと思います。その場合はストレッチ機能によって足音そのものの音質が劣化してしまわないように注意して下さい。ほぼ無音な区間のみにストレッチを掛けるというのも1つの手です。
足音のテンポが揺れないようにある程度は注意しておきましょう。ま、完全に等間隔にしてしまうと、それはそれで機械みたいな感じで不自然なので、ほどほどでOKですけどね。

よろけ具合をコントロール
普通に歩いている場合は、足音のテンポをおおよそ一定に保つべきですが、よろけながら歩くというのもシチュエーションの表現として十分ありえます。
編集方法としては先ほどの歩行スピードのコントロールと同様、無音時間を挿入したり削除したりするわけですが、「どうやったらどんなシチュエーションが表現できるのか?」というのは、一通りのテクニックがあるわけではありません。むしろ台本などからイメージを膨らませた上で、登場人物の心理状態を汲み取り、それを足音の間隔へと変換する作業となります。なので、想像力というか、読解力といか、そういうものを養う必要があるかと思います。
「酔っ払って千鳥足な感じ」、「戦闘で深手を負って、びっこをひく感じ」、「変な人があらわれてたじろつく感じ(29:17)」、「急いでいたら自転車に衝突しそうになって、あわてて左右によける感じ」など、ひとえに「よろける」といっても色々なパターンがあります。通常はここまで台本などには書かれていませんので、言葉の代わりに足音のよろけ具合を使って、行間に書かれたシチュエーションを説明するといった感じとなります。
ま、この辺をあえて勉強したいのならば、ドラマCDや、アニメ、あるいは(それなりに値の張る(笑))舞台演劇などで役者の足音に耳を傾けるとか、したらいいんじゃないかと思います。僕は特にはやっておりませんが(笑)

最後に
さて、今回は足音を中心に解説させて頂きました。しみじみわかったかえ?
例によって字数が余った(目標4000文字)ので、「みかるそうる」ではほぼ毎回出てくる「整体する音(ガリポキッボキ!みたいな骨の鳴る音)」をどのように作ったのかを解説してみたいく思います。
この音、最初はライブラリを使ってしまえ!と思っていたのですが、どうもそれらしい音がない。。。それで自前で作ることになりました。
最初、割り箸とかでも折ってみて、加工元の音を作るつもりでしたが、演出者「甲斐ひろかず」氏の提案により、ペットボトルをペシペシ潰した音を加工して、骨の鳴る音を表現することになりました。
まず、Volvicの1.5リットルペットボトルの上部を、なるべく骨っぽい感じがでるように気を働かせてペコペコ押さえた音を録音します。で、フィルタを使って、60Hz~160Hzの体に響く感じの帯域と、1.5KHz~3KHzのザクザクした質感を出しやすい帯域を強調しました。どれくらい強調したのかは覚えていないのですが(〇rz)、多分露骨に20dBくらいはやった気がします。さらに、もう少し音を鈍くするため、6KHz以上はカットしました。これも多分-20dBくらいだったような気がします。
次にコンプを加えて音量を均一にします。
そして今回は、作中の大技として整体をやっているわけですから、骨の鳴る音は多少、派手目にしておく必要がありましたため、左右のチャンネルの出音を20msくらいずらして、独特なステレオ感を出すようにしました。

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2006/06/06

よいどRADIO第二回UP!..

ああ、もう2回目から編集ブログ同期取れませんでした〇rz。。

もし仮にこの編集ブログをお楽しみにしていらっしゃた方でしたら、まことに住みませんです~~~
よいどRADIO二回目のUPした時から毎週毎週やることなすこと目白押しで、なかなかブログをUPできませんでしたとさ。
さて、今回はよいどRADIO第二回目の編集にまつわるお話を色々書きたいと思います。 第2回のゲストは何と!何と!!永井真衣さん!ゲームにもアニメにも出ていらっしゃいまして、ボーカルCDも出している!!正に今をときめく声優さん&ボーカリストさんにしてアーティストさんでございます。
で、、このよいどRADIOの収録場所は僕のボロアパァート!!収録の前日には、只でさえとても人を呼べるような状況にはなっておりませんでした。
さらに今回のラジオでは永井まいにゃん直々に手料理のグラタンを作って貰える算段となっているのにも関わらず、僕の家にはグラタンを作れるような調理器具も無い!!(〇Д〇;;
そんな有様の中、なんとかオーブントースタを近所のスーパーで購入し、部屋中を大掃除して、それはもう、死ぬほど頑張りました!!
あ、そうそう編集の話ですよね。。。(゜▽゜A)
今回は前回の1時間7分という長丁場になってしまった反省を生かすべく、巻いて行きましょう~ということだったのですが、、、結果的には1時間11分。。。。Orz
なので、MP3の標準フォーマットである、128KBpsは実現できるわけもなく、音質をさらに落とす必要がありました。また、前回は可変ビットレート(VBR)という設定でMP3に変換していたのですが、VBRだとMP3プレーヤーや、再生ソフトによっては対応していなくて、最後まで再生できない。もっというと59分あたりで切れてしまうという問題が明るみとなっていたため、今回は固定ビットレートで、56KPbsという、通常と比べると随分低いビットレートを設定する必要に迫られました。
で、こういうときのテクニックなんですけれども、MP3にはビットレートの他、再生帯域幅というパラメータがあります。(32000Hzとか24000Hzとか44100Hzとか、とにかくHzが付いているやつです)ビットレートを下げているのにも関わらず、再生帯域幅が広いまま(24000<32000<44100<48000というように数字が大きいほど広いのです)ですと、シャリシャリっという耳障りな成分が加わったような音質となってしまい、ラジオとして長時間聞くのは正直苦痛となります。
そこで、ビットレートを落とす必要に迫られたときは、ムリせず再生帯域幅を狭めるとよいと思います。帯域幅を狭めれば高い音(サシスセトとか、キーーンというめちゃ高い音)が聞こえなくなって、何となく曇った音になってしまうのですが、それでもシャリシャリとカキ氷を砕くような音が加わるよりも100倍ましというものです。
ま、本来はラジオのトークをコンパクトに収めて、中身の濃い内容にしていけば、ムリに圧縮する必要も無いので音質も良くなり、リスナーも自分の時間を有意義に使えて、ラジオの評価も上がると、、いいこと尽くめだと思うのですが、さてさて・・

さてさて、今度は編集の中身に関わるネタです。今回もドラマに合わせて幾つか効果音を作成しておりますが、その中でも「目が回る音」というものを作りおろしました。(48:20あたり)目が回るときには当然本当に音がするわけではありませんが、アニメチックにデフォルメした表現として、「フワン(゜Д。)フワン(。Д゜)フワン(。゜Д)」みたいな現実的にはありえない音をイメージできるかと思います。
こういう音を作る時は管楽器などの音を使って、音程を周期的に上下に揺らすというのが効果的です。管楽器の音そのものは、音声素材集などから、管楽器の演奏音を1~2秒くらい部分的に切り出して使います。切り取ったものを別のオーディオファイルに何度も何度も貼り付けて繰り返しされる音を使います。。(波形編集ソフトによってはループペーストといって、何度も何度も貼り付ける作業を自動的にやってくれるものもあるようです)

そして後で加工して、音程の揺れを作ります電子音っぽい音を使うことも出来ますが、電子音は最初から抽象的というか、自然にはありえない音というのがスタートラインとなっていますので、これを上下に揺らしたところで、あまりインパクトは感じられません。むしろ冷たい音色と相まって、聴きづらい音となってしまうでしょう。
しかし、管楽器の演奏音のようになまじ現実的にありえる音を使って、ありえない音に加工した方が、ありえない感じをより強調することができるわけです。

さて、実際の加工方法ですが、波形編集ソフトのピッチベント機能を使うこともありますが、今回は「フランジャー(FLANGER)」というエフェクトを使いました。
フランジャーはディレイ(音を遅らせるエフェクト)の変則版エフェクトで、音を遅らせる時間を周期的に変化させるエフェクトです。短い間隔のヤマビコから長い間隔のヤマビコまで、決められた周期で繰り返し変化することで、自然にはない不思議な響きを作り出すことが可能で、割と昔(60年代)から音楽業界や映画業界の特殊エフェクトとして使われているものです。
通常はフィードバックレベル(遅れた音をもう一度入力側の音にミックスする)というパラメータを上げることによりヤマビコを多めに作って、ウネリの強い音を作ることが多いのですが、今回は音を遅らせる時間を大きく変化させた時に生じるドップラー効果(音程が上下する効果)だけを利用することにしました。
なので、パラメータの設定としては以下のような感じとなります。(なおパラメータ名は僕が使っているAdobeAuditionのものです。他のソフトを使っている方は適当に読み替えてみてください。)

  • オリジナル/ディレイ比=ディレイ100%
  • 初期ミックスティレイ(遅れの大きさ)=0
  • 最終ミックスティレイ(遅れの大きさ)=40ms (普通のフランジャーとしてはかなり大きな数値なのです)
  • ステレオフェージング:90度 
  • フィードバック:0%
  • 変調周波数:1Hz変調波形:サイン波(三角波は、音程の変化が飛び飛びになってしまうので、サイン波にしておいた方が無難です)

適切なパラメータは元ネタの質感や、シーンの雰囲気によって微調整するのが良いと思います。

うっと、、、字数が余ったので、別のネタも書いておこうかな、、、みかえるそうる一話の冒頭や、2話の最後で聴ける怪しげなピアノの音ですが、あれは録音したスタジオにあったアップライトピアノを適当に弾いたものです。
いわゆるクラスター奏法といって、ピアノの鍵盤を拳で殴るかのように、グシャーっと弾くと、ああいう音になります。あとは、白い鍵盤と黒い鍵盤を同じ割合で弾いたりするのも不気味な音を作るときのコツといえるかも知れません。
あと、編集で400Hz以下の成分をバッサリとカットしています。元々アップライトピアノは高音域があまり出ていません。さらに低音までカットしてしまうことで、中音域だけが残って、古いレコードのような寂れた感じというのか、より不気味な雰囲気を演出することができま、、、いや、できるかも知れません。

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2006/05/01

よいどRADIO第一回UP!

皆様、こちらでは始めまして!鼻クローンといいます。このブログでは、よいどRADIOの編集担当としての活動記録と、よいどRADIO本編と連動して編集テクニックなどを掲載して行こうと思います。

今回は初回ということで、よいどRADIOというオーディオ作品が、どのような作成手順を経て皆様のもとへ届けられているのかどうかというところに焦点を当てて解説いたしたく思いまんもす。 2回目以降はそのときどきのエピソード的なものが書ければいいかなぁと思っています。

手順1 ドラマの収録

東京都北区の某スタジオを借りて、声優陣の皆様、ディレクター(甲斐ひろかず氏)、録音担当(私鼻クローンとK氏)、さらに様々なスタッフの方々が集まり、ドラマの録音は行われます。 企画屋パッションベジタブルでの録音は、ブースにマイクを三本立て、これらの音をパソコンへと送り、マイク毎に別々のオーディオファイルに同時録音するという比較的豪華な録り方をしています。

マイクはRODE NT-1というコンデンサ型マイクを使用しています。このマイクは低価格でも大口径なコンデンサマイクの草分けとなったマイクで、音の特徴としてはプレゼンス成分(高音域の耳に付くギラギラとしたところ(サシスセソの周波数帯域と申しましょうか。。))が少し強調された、とてもクリアーな音質となっております。ですので、編集時には「サシスセソ」があまりに耳に付きすぎないように、ディエッサーというエフェクトをかけることが多いです。

また、この手のマイクとしては集音範囲は若干狭めで、ONボジションと、OFFボジションの違いが割りと強く出る傾向となっております。ですので、ボイスドラマなどを収録するときは、声優の動きにマイクの音質が敏感に反応しすぎてしまうことがありますので、録音時にそのあたりを注意して聴いておく必要があるかと思います。というか最近思うようになりました。
特に注意する必要があるのは、遠近感を表現するために、マイクに離れたり近づいたりなどするときです。この場合ブースの部屋の響きがそのまま録られた音に反映されてしまいます。例えば作中のシーンが野外で遠くで叫ぶ、などで実際にマイクから離れれしまうと、野外のはずが思いっきり部屋の中の響きといった違和感を生む原因となります。
この場合はONで録っておき、編集によって音量差を設けたり、左右に振るなどして、距離感を演出するのがベターです。

その他に注意していることは、録音中に大きな声を出したときに共鳴してしまうようなものは、ブースの外に運び出すことです。
譜面台なんかもそうだし、実はピアノもそう、そもそも楽器はよく響くように作られているので、音楽室は罠だらけだったりします。。

手順2 ラジオトークの収録

ラジオについては、僕の自宅に喋るメンツをお招きして録音します。
テーブルの真ん中辺りに全指向型マイクを1本だけ設置して、そのテーブルを取り囲むように、人が座って録るという感じです。
この録り方だと当然ながらノイズもよく拾うし、全般的にOFF気味な音質となります。しかし、ノイズも雰囲気を演出する要素というのか、これはこういうものだとして録ってしまえばそれもありかなぁ~、というノリでやってます。


手順3 ドラマの編集

最初のステップは、ノイズ除去を行います。ブース録音なので、声以外の音はほとんど入らず、たまにペーパーノイズが入ったりする程度なのですが、リップノイズはちょくちょく入ってくるので、録音された音声を聴きながらこれを丹念に消して行きます。
リップノイズが音声波形のどの位置に存在するのかは、波形編集ソフトのスペクトラム表示機能を使って調べます。
リップノイズは縦線のような短時間で広帯域な成分として混入しているので、この範囲を選択して、音量を0にするなり、台詞と重なっている場合は、リップノイズ除去用のエフェクト(波形編集ソフトによって呼び名は異なりますが、僕の使っているAdobe Auditionでは、”Click/Pop Eliminator”という名前となっています。)
Lip

あとは他のマイクに向かって喋っている人の声が混入してくるので、これも丹念に取り除きます。そうしないと残響を含んだ音質となってしまって、後処理でのコントロールが難しくなります。(出来るだけ残響の少ない音で録っておいて、後処理でそれぞれのシチュエーションに適した残響音を付加するというスタンスですので。)
もっとも二人の声がかぶっている場合は、あきらめざるを得ません。それでもかぶっていないところだけ丁寧に取り除けば、よほど注意して聞かなければ、分からない程度に分離することはできます。

次のステップは、1話分のまとまりとなるように複数のオーディオファイルを一列に並べる作業です。
大抵の波形編集ソフトでは、複数のファイルを並べて編集するマルチトラック編集機能が付いています。さらに、このマルチトラック編集機能は、オーディオファイル自体を加工することなく、時間の挿入や削除、音量の調整、エフェクトの付加といった処理ができる非破壊編集機能とセットになっています。
僕の場合は、リバーブやコンプレッサー、ディエッサー、イコライザーといった、音量や質感を整えるエフェクトは、マルチトラック編集時にかけるようにしています。中でもAdobe Auditionの場合は、バス機能といって、複数のトラックに同一のエフェクトをかける機能がついているので、複数のマイクで録っている音声ファイルは1つのバスに送り、コンプレッサー、ディエッサー、イコライザーは同一のものを使うことで、人間の声としてトータルな加工を行っています。
なお、イコライザーは主にポップノイズ(マイクに息を吹きかけたときのボコボコした音)を取り除くために使用しています。このため、80Hz以下をカットして後はフラットな特性としています。

人の声のファイルを並べ終わったら、次は効果音やBGMを加えて行きます。
効果音については、録れるものはその都度録音したり、既存のライブラリーなどを使用します。あるいは編集を重ねて、新たに効果音を作ることもあります。

次のステップは監修作業です。つまり当サークルのプロデューサーであられます甲斐ひろかず氏の立会いのもと、編集したドラマに対して、時間間隔の調整を行ったり、新たな効果音やBGMを加えたり、あるいは音声を加工したりします。(まあ、最近は未完のまま監修に入って、その場で作ることも多いのですが、、、わはは)

そして最後にミックスダウンします。波形編集ソフトのメニューから選ぶだけで自動的にミックスダウンされたオーディオファイルが作成されます。
あとは最終的な音量の調整のためリミッターをかけます。

手順4 ラジオトークの編集

ラジオのトークは1本のマイクで録り、またノイズ除去などはあえて行いません。
あとはドラマの編集と同じように、加工を行い、BGMを加えて、ミックスダウンするわけすが、OFF気味で録音しているため、少し曇っているというのか、プレゼンス成分が弱い音質となっているので、EQで8KHz以上のプレゼンス成分を強調します。またディエッサーは加えずに、コンプレッサーのみで処理します。

手順5 MP3変換&ブログUP

今回はブログを使ってWebラジオとしてUPするのですが、ここで一つハプニングがありました。。。。
今回のラジオは何と大型1時間7分となっていますので、128Kbpsのmp3ファイルですと60Mバイトものビックなファイルとなってしまい、当初のUP先として予定していましたラジログの転送規制(1ファイルあたり10Mバイト未満)に引っかかってしまったのです。。。。
ブログ全体としての容量制限が2Gバイトですので、余裕をかましていたのですが、、ちょっとびっくりどっきりな感じでした。
そこで、急遽UP先をココログに切り替えることにしましたが、ココログでも1ファイルあたり40Mバイト未満という転送規制が設けられていました。
ラジログよりはマシなのですが、しかしオーディオファイルは60Mバイトですので、このままですと、どのみちUPすることはできませんでした。
そこで最初はファイルを2つに分けてUPすることを考えたのですが、しかし2つに分けてしまうとpodcastingは最初の1ファイルのみにしか対応できないので、podcastingを使ってipodで聴いている人は前半しか聴くことができないという問題が発生します。
そこで、最終的にはMP3の圧縮率を上げてなんとか40Mバイトに押さえることで、1ファイルでUPすることにしました。
次回は40分以内に収めるようにして、128Kbpsでも40Mバイトに押さえることが出来るようにしないと。。。

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