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2004.07.18

天然成分信仰

最近白骨温泉とやらに草津温泉とやらの成分を混ぜていたとかで騒がれているのですが、いったい温泉が白くにごる程度に何の意味があるというのでしょうか。
温泉は体にいいと信じられていて、それが温泉に含まれている”天然”のミネラルだとか放射性同位体だとかの
おかげだとされています。
しかし、温泉の成分なんてものはタダの地下水ですし、火山性の成分だったら硫黄とか、むしろ毒性があるののが多いと思うのです。
もちろん温泉の成分に薬効がないとは言い切れません。
たとえば、温泉と同じ温度の水道水に温泉と同じ時間入るという実験を繰り返し、統計情報を集積して、その結果、特定の疾患の症状が有意に改善される。
という実験データがあればまだましというものです。
できれば副作用の発言率も考慮に入れるべきです。
腰痛を直すためにのぼせて意識を失って溺れ死ぬなどというリスクもあるわけですから。
問題はテレビとか雑誌とかで、この温泉の効能は神経痛と、腰痛と、胃腸に効いて、
などとの賜っている情報に一体どれだけの信頼性があるのかということです。
効能について述べるならば情報ソースをも述べるべきです。
どこの機関が何時、どれだけの規模でどういうプロトコルで試験をしたのか?
そういう根拠も示すことなく、国民を扇動するのは如何なものかと思うのです。

繰り返しますが、ボクは白骨温泉の天然成分だろうが、草津温泉の入浴剤だろうが、
大して差は無いと思うのです。
単純に考えて、温泉などというのは、タダの地下水です。
地下水を病院で病気の治療薬としてもらったことがあるでしょうか?
湧き水や温泉の水と呼ばれるもので、医薬品として認可さらたものが存在するという話は、聞いたことがありませんし、
別の見方をすれば処方箋が無いと入れない温泉なんてのも聞いたことがありません。

つまりは、医薬品としての正式なプロトコルを経て認可された温泉水などというのは、無いのです。(いやボクが知らないだけかも知れませんが、)
それは、そうです。何億ものコストをかけて、処方箋がないと入れない温泉を作るのにどれほどメリットがあるのか分かりませんから。
で、そうでない以上、水と温泉水との違いは味や匂い程度のものでしかありません。○○に効くなんてのはどこの馬の骨とも分からない眉唾情報なわけですから。

それでも白骨温泉の湯に草津温泉の入浴剤を混ぜたことがアレだけ大騒ぎになるのは、やはり国民の皆様方に天然成分信仰なるものがあるからなのだと思うからです。

医薬品ではないから明らかな薬効はない、だけど天然成分だからはっきりとは分からないがジワジワと効いているはず!
そういへばタダの風呂に比べて温泉に入ると、少しからだがポカポカする気がするし、
リラックスできるね、これはやはり天然成分の効能に違いない!

温泉以外にもこのケースはたくさんあります。キノコだと植物だとかハチミツだとかのエキスとか。
効くのか効かないのか、よく分からないものに対して、天然成分配合と銘を打つだけで、みな催眠術にかかった様に「効いている、そうに違いない」と思ってしまう。
これが天然成分信仰の症状だと思うのです。

天然成分が全ていいものではないことはちょっと冷静になって考えれば直ぐに分かります。
天然のフグ毒や、天然のO-157、天然のトリカブト、天然の天然痘と、
天然のものはむしろ悪いものも多いと思うのです。

こうした信仰が生まれるまず直接的な原因として思い浮かぶのは、
効くのか、効かないのか、ということが曖昧な状況では、人間は短絡的に自分にとって都合の良い方に解釈してしまう。
という本能というか習性があるからだと思います。
ギャンブルだとか、試験だとか、あるいは片思いの想い人だとか、
そうゆう状況で、愚かな妄想によって、自分を苦しめた経験がある人は少なくないと思います。
宝くじは当たるはずだと毎回買うけれど、購入金額以上にあたったことは無いとか。
あの学校の試験は、いいかんじでできたと思うから受かるはず!そしてまさかの落選通知。
あのコに告ってみたら、そういう関係を望んでいた分けじゃないからとアッサリ断られたりとか、
要するにギャンブラー的心理が働いていて、自分にとって都合の悪い情報をシャットアウトできてしまう。
お守りみたいなものです。
で、そうしたお守りが必要となる背景としては、
やはり高度に工業化が進んで、大気汚染だとか、水質汚染だとか、土壌汚染とかが、進んでしまったわが国日本があるからだと思うのです。
毎日汚い空気を吸って、職場ではストレスまみれで、オマケに食事は外食中心の脂ぎった高カロリー食品ばかり、
そうした生活を改善するには、田舎に引っ越して、ノンビリと仕事7部くらいの生活をすればいい、
だけど、やっぱりオシャレもしたいし、買い物もしたいし、今の便利な生活を手放したくない、
でも体には悪そうなことばかりやってる。

こうした環境的ストレスが天然成分信仰の後ろ盾となっているのではないでしょうか。
日常的に自分の体をいじめてばかりいるから、ヲレはきっと癌とか心筋梗塞で死んでしまう。
でもそれは嫌だからこの効くかどうか不明な天然成分を摂取することでそうは成らない気分を手に入れよう。

これが今の日本一億人を包み込む宗教みたいになっているのです。
ゆくゆくは天然党みたいな政党が登場するかも知れませんね。

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Comments

白骨温泉の事件について許せないのは、「お湯」ではなくて「人」だと思います。
自分はそんなに温泉通ではないのでお湯が無色透明無味無臭でも構わないのですが、温泉通の中には「白いお湯」にこだわる人も多くいるそうです。
それを知ってる温泉組合の人々は「お湯が白ければお客が増えるだろう」と、悪事を繰り返していたわけです。
さらに白骨温泉は交通の便が悪いことでも有名で、「貴重な休みを費やして渋滞に巻き込まれながら必死でたどり着いた温泉が、実は入浴剤でした」なんて、もう苦笑いしかでません。
温泉の治癒力の根本は「病は気から」だと思います。
せっかくの温泉を生かす殺すも、「人」次第ですな。

Posted by: 徳の字 | 2004.10.12 at 11:23 PM

コメントどうもです^^
確かに温泉は古くから湯治として信仰されてきたものですし、
今更根拠がないと言っても気の問題は根拠を求めてはいけないとも思います。
なにしろ、科学的には存在が否定されている神様が、過去5000年かそれ以上も人類の気を支配してきて、今でもそれでドンパチが行われているわけですから。
影響力があるかどうかという点では、たしかにあると思います。
ただ具体的な効能を謳う以上は、少なくとも何らかの根拠は示すべきだとも思うのです。
「気の問題ですが、腰痛、新家通に利く気がします」とか

Posted by: 鼻クローン | 2004.10.17 at 03:42 AM

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